晴れの国・岡山を巡る：風景と歴史を感じる旅

後楽園

江戸時代に岡山藩主・池田綱政が築いた日本三名園のひとつ。広大な芝生地が視界を開き、池泉回遊式の水辺や築山、茶室が点在するため、歩くたびに景色が切り替わります。春は桜と新緑、夏は涼やかな水面、秋は紅葉、冬は枯山水の静けさと、四季によって表情が豊か。曲水や田園風景を模したエリアもあり、庭園文化と城下町の暮らしが自然に溶け合います。

岡山城

艶やかな黒い外観から「烏城（うじょう）」の名で親しまれる岡山のシンボル。重厚な石垣と堀が往時の威厳を伝え、天守内部の展示では城下の歴史や大名文化、当時の暮らしがわかりやすく紹介されています。高所からは旭川越しに後楽園や市街地を一望でき、季節や時間帯によって光の入り方が変わる眺望も魅力

大原美術館

倉敷美観地区の中心に立つ、日本を代表する私立美術館。西洋近代絵画を基軸にしつつ、日本の近現代作家や工芸、版画へと視野が広がるコレクションは、地域の文化力の象徴でもあります。白い列柱が並ぶ本館は外観からして凜とした存在感があり、静かな展示室では作品との距離が近く、筆致や色彩のニュアンスまでじっくり味わえます。街歩きの合間に立ち寄っても、丸一日かけて対話するように鑑賞しても満足度は高め。

児島ジーンズストリート

国産デニムの聖地として知られる児島のものづくりを、通り全体で体感できるエリア。色落ちやステッチ、リベットといったディテールに宿る職人技を見比べながら、各店の個性ある一本に出会えます。藍染や加工の話を聞くと、一本のジーンズが完成するまでの手間と時間に思わずうなずくはず。ファクトリー由来の雑貨や、街のいたる所にあるデニムモチーフの装飾は写真映えも抜群。オーダーや裾上げの相談がしやすいのも専門店が集積する強みです。

鷲羽山

瀬戸大橋と多島美が一望できる屈指の展望地。穏やかな瀬戸内海に大小の島々が点在し、橋桁が描く直線が風景に雄大なリズムを与えます。遊歩道を少し歩けば視点が変わり、海と空のグラデーション、行き交う船影まで楽しめるのが魅力。夕暮れ時は島影がシルエットになり、橋の灯りがともると一気にドラマチックに。季節や天候で遠望の抜け具合が変わるので、風の少ない日や霞の薄い時間を狙うとベストです。